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高精度な中空シャフトを実現する設計ポイント

Before

今回は中空シャフトのコストダウン提案事例をお伝えします。Beforeの図をご覧ください。L500×外径φ80の中空のシャフトに、φ120のフランジを溶接し、シャフトの一部はベアリングを嵌めるためにφ70H7が指定されています。さらに内径はφ68としているため、最も薄い部分は肉厚が1mmしかありません。

このような設計を行うと、まず溶接による歪みが懸念されます。さらに肉厚1mmの部分にH7を指定すると仕上げが困難な上、コストアップとなってしまいます。

コストダウン事例

After

肉厚が薄い中空シャフトの場合、H7公差を達成することは容易ではありませんし、溶接による歪みの発生も回避することは難しくなります。従って今回のケースでは、After図のように溶接構造から全切削に変更して歪みを回避した上で、シャフトの内径を小さくして肉厚を5mm程度アップするようにします(内径φ68⇒φ60)。このような設計を行えば外径φ70の部分のH7公差を確保することが可能となります。

高精度な中空シャフトを設計する場合には、溶接による歪みに加えて、切削加工による歪みも考慮して設計することが必要です。なお今回、ベアリングはシャフトの外径部分にはめ込む設計であったため肉厚アップによる歪み回避・精度確保を行ったという、非常にシンプルな対策でしたが、お客様が設計させる機械部品には根本的に設計を見直さないと高精度が実現できないケースもあると思います。どうしても歪んでしまうなど、お困りの機械部品がありましたが、切削加工のプロの目線でご要求スペックを満足するよう形状をご提案させて頂きますので、お気軽にご連絡ください。

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