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おねじの設計時は先端部の処理に注意する

Before

機械部品を組み立てる際に作業者がケガしないよう、あるいは機械の操作中に事故が起こらないよう、マシニングや旋盤で加工する製品にはC面取りや糸面取りなどの指示がなされます。しかし、C面取りはとりあえず設定されることも多く、どんな数値に設定するのが最適かは、あまり議論されません。

上の図をご覧ください。おねじM30×P3.5の先端部を C1 とするよう指示がされています。図面上は違和感はありませんが、実はP3.5のおねじではC1では小さすぎて、薄いねじ山がバリのように残ってしまうのです。切削加工メーカーとしては設計指示がなされたとしても危険なバリが残ったまま出荷することはできませんので、加工後やすり等で処理しなければならず、非常に手間がかかってしまいます。

コストダウン事例

After

おねじの先端部に対するC面処理は、おねじの谷の径を目安に設定することをお勧めします。今回事例として取り上げたM30×P3.5のおねじの場合は、この図面のように「C2以上」とするか、C面指示を入れあとは切削加工メーカーに任せるとすれば、加工後のバリ取りの手間が省け納期短縮・コストアップ回避が実現できます。ただし、C面を大きく取ることによ有効長に影響する可能性もあるので、その点は確認が必要となります。

機械部品を設計する際、設計エンジニアの方々は「寸法精度:±0.01」「面取り:C1」など、基本的に設定する数値はお持ちかと思います。しかしその数値設定がサイズ・形状・材質によっては実現できなかったり、大幅にコストアップしてしまったり、あるいは今回ご紹介したようにバリが出る、といったことに繋がるケースがあります。今回紹介したおねじの先端部の処理などは一度経験しないと図面だけの判断で回避することは非常に困難なので、切削加工メーカーに事前に相談されることをお勧めいたします。

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