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深穴の底部までの寸法公差が、どうしても必要な場合の設計アイデア

Before

今回は、プレートに対する側面からの深穴加工について、実際にお客様から図面を頂き、当社から変更提案を行った事例をご紹介させて頂きます。

まずはBeforeの図をご覧ください。コの字形状のプレートに、穴径φ4+0.1  +0.2、深さ50+0  -0.1の深穴が2か所描かれています。この製品の使い方としては、φ4の穴にシャフトを差し込み、深さ50mmの穴の底部で止める必要があるので、深さ公差+0  -0.1が絶対に必要でした。

しかし、φ4の深穴を空けられるエンドミルは存在しないので加工を行うことができません。リーマは長いものがありますが、もともと深穴を加工する工具ではない上、リーマには先端の食いつき部がある(0.3~0.4)ため、食いつき部以上に深く加工しなければならず、求められる深さ公差を出すことができません。

コストダウン事例

After

このような、穴の底部分までの深さを精度よく加工して使用したい場合には、穴の上部からアプローチせずに、Afterの図のように横から長穴で掘り込むようにします。このような対応を行うことで、コの字プレートの上面(端面)より深さ50+0  -0.1  の公差を保つことができます。

装置や機器の機能を満足させるため、開発・設計の皆様は機械部品に対して寸法公差を設定されますが、その寸法公差を満足させようにも加工する方法がない(加工しようとすると非常にコストが高くなる)というケースが多くあります。今回ご紹介した事例はちょっとしたアイデアで実現できるものですが、開発・設計者の皆様はどんな工具が存在しどこが限界なのかを知りながら、Afterで紹介したような形状を最初から設計に織り込むことは難しいと思います。三栄製作所は、皆様に変わって考え、形状変更をご提案しておりますので、設計で悩まれた場合にはお気軽にご相談ください。

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